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世界お米紀行・台湾編│屋台&お弁当文化に驚き!


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「お米」は日本人である私たちにとっての主食で、毎日の食卓に欠かせない存在です。

でも、ほかの国で暮らす人々にとって、お米はどのような存在なんだろう……?

日本以外にもお米を食べる国はたくさんある、というのは知っているけれど、どんな形で、どんな味で、どんなシーンで食べられているの?

意外と、知らないことばかりじゃありませんか?

ソラミドごはんの『世界お米紀行』は、世界中の「お米」の食べ方や、お米を使った料理──つまり、世界のお米文化を紹介する連載企画です。

第一回目の今回は、台湾のお米文化について特集します。

東京都大田区の台湾料理店「台湾式朝御飯 喜喜豆漿(ききとうじゃん)」に取材し、台湾の代表的なお米料理やお米文化についてお話を伺いました。

張 明子(ちょう あきこ)さん

東京都大田区の台湾料理店「台湾式朝御飯 喜喜豆漿(ききとうじゃん)」のスタッフ。沖縄生まれ台湾育ち。おすすめの台湾のごはん料理は魯肉飯。

台湾の代表的なごはん料理を紹介

魯肉飯(ルーロウファン)

豚の粗挽き肉を甘辛いタレで煮込んでごはんの上にかけた料理。部位は豚バラ肉を使用しています。日本でもわりとポピュラーな料理なので、食べたことのある人も多いのでは?甘じょっぱくて、八角のスパイスが効いてお肉との相性抜群です! 煮汁ごとごはんの上にかけるので、白米が無限に食べられちゃいそうです。どんぶりではなくお茶碗サイズで食べるのが本場流。

張さん

家庭や地域によって使う肉の部位に違いがあるんですよ。私の実家では脂身が多めでした。家庭ではバラ肉やこま肉など、その時々によって使う部位が変わります。当店の魯肉飯は脂身が控えめであっさりしているのが特徴です。

鶏肉飯(ジーローファン)

ごはんの上に柔らかく茹でた鶏肉をほぐして乗せて、鶏の出汁や鶏油(チーユ)などのタレをかけた料理。鶏むね肉ですが、しっとりとした食感です。ヘルシーでさっぱりしているので、罪悪感なくたくさん食べられますよ! シンプルな味だけどやみつきになっちゃいます。

張さん

塩系の出汁が効いているのであっさり食べられるのが特徴です。

鶏鹹粥(チーシェンジョウ)

鶏出汁のお粥。「鹹」(シェン)は塩という意味です。鶏の旨味がギュッと凝縮されたスープの上に、茹でた鶏むね肉が乗っています。体を温める作用のあるごま油がかけられており、香ばしい風味が楽しめます。するすると食べられて、体も心もあたたまります。

張さん

お粥は胃にやさしいので、朝食や飲み会の後のシメに食べる人が多いですね。

台湾で主流のお米は日本からやってきた!

──台湾ではお米はよく食べられているのですか?

張さん

はい、台湾でも主食はお米です。

最近は麺やパンなど他の主食を食べる機会も多かったりするので、お米の消費量も減ってきてはいますが……。基本はお米を食べます。

──主食として欠かせない存在だけれど、食文化の多様化によって消費量が減ってしまっているのも日本と似ていますね。台湾で食べられているお米は、どのような種類なんですか? 日本で食べられているお米と同じようなものなんでしょうか。

張さん

台湾では『蓬莱米』(ほうらいまい)というお米が主流です。台湾米と日本米を交配して作られたのが蓬莱米です。昔食べられていた台湾米は、細長くて粘りの少ない米だったそうです。

張さん

台湾にはお米どころとして有名な池上(チーシャン/いけがみ)という場所があるんですよ。そこのお米はとってもおいしくて、ブランド米にもなっています。

──台湾のブランド米、どんな味か気になりますね!

台湾の人は冷たいごはんを食べない!?

──台湾と日本の食文化で違うことってありますか?

張さん

台湾と日本で文化の違いを感じるのは、お弁当ですね。

──お弁当? 台湾ではお弁当でお米を食べないんですか?

張さん

お弁当自体はありますが、台湾では熱々のごはんとおかずを食べるのが当たり前なんですよ。冷めたごはんを食べる文化がないんです。なので、日本でお弁当を冷めたまま食べることがあるのには驚きました。コンビニやスーパーで買うお弁当はあたためてもらうことができるけれど、学生さんなんかは持ってきたお弁当をそのまま食べることも多いですよね。

──じゃあ、台湾の学生さんはどうやってお弁当を食べるんですか…?

張さん

台湾の学校にはお弁当を蒸す”保温室”があるんですよ。

──お弁当を蒸す保温室……?

張さん

授業が始まる前にクラスごとにお弁当箱を集めて、保温室に持っていくんです。そしてお昼休憩の前に取りに行けば、温かいお弁当を食べることができるというわけです。保温室で蒸されてもお弁当箱が壊れないように、台湾では鉄で作られたお弁当箱が使われるんですよ。

──学校にお弁当を温める部屋があるなんて、日本には無い文化でおもしろいです!

張さん

家庭によっては、お昼の時間に合わせて家族がわざわざ温かいお弁当を学校まで届けてくれる、なんてこともあります。

──お昼に家族がわざわざお弁当を届けてくれるなんてびっくり! 大変そうだけれど、作りたてのおいしいお弁当が食べられていいですね。

台湾の人は屋台で食事を楽しむ文化がある

──台湾といえば屋台が有名ですよね。台湾の人は、どんなときに屋台を利用するんですか?

張さん

いつでも行きますよ。昼や夜はもちろん、朝の出勤前にも。ごはんを作るのが面倒なときや、友人と食事をしに行くときにも利用します。みんな日常的に屋台でごはんを食べますね。もう、毎日が縁日みたい!

──毎日が縁日なんて、楽しそう!

張さん

それと台湾では、ごはんと一緒におかずを3〜4品食べることがほとんどなんです。和食も品数が多いけれど、日本では牛丼やカツ丼、天丼などの丼物が食べられる機会も日常的にありますよね。台湾では、丼物にはあまり馴染みがありません。ルーローファンも丼物のイメージがあるかもしれませんが、台湾では大きなどんぶりではなくて普通の大きさのお茶碗に盛って、ほかのおかずも一緒に食べるんですよ。台湾人はスープ好きが多いので、ごはんと一緒に汁物を飲むことも多いですね。

──どんぶりだけ、という食事スタイルは台湾ではあまり馴染みがないのですね。

張さん

いろいろなおかずを組み合わせて食べられるように、台湾にはビュッフェスタイルの屋台やお弁当屋さんも多いんです。「自助餐」(ジーズーツァン)というんですよ。自分でおかずを選んで箱に詰めて、最後に店員さんにごはんの量を伝えてオリジナルのお弁当を作れる、というお店です。テイクアウトもできるし、その場で食べることもできます。量り売りのスタイルなので、その日のお腹の空き具合やお財布具合によって調整できるのもいいんですよね。

──自分であれこれおかずを組み合わせるの、楽しそうですね! 今度台湾に行ったら「自助餐」にも足を運んでみたいです!

張さん

台湾の魅力って、やっぱり食文化なんじゃないかと思います。メニューの選択肢が多くて楽しいんです。ぜひ色々な人に台湾の食事を味わって欲しいですね。

まとめ

米が主食であること、そして食べられているお米の種類など、台湾と日本のお米文化は非常に近いということが分かりました。

ただし、文化は似ているものの、お弁当の食べ方や、屋台文化、気軽におかずをビュッフェ形式で組み合わせて購入できる台湾ならではのお店の存在など、細かい部分で違いがあるのはおもしろいですね。何か食べたいなと思ったら、すぐにふらっと屋台に行けるのはとってもうらやましいです! 日本にも屋台文化があればいいのになぁ。

「台湾は本当にごはんがおいしいんですよ! ぜひ行ってみて!」と笑顔でお話してくださった張さんの様子から、台湾の食文化の魅力がたっぷり伝わってきました。

本場の台湾料理を楽しむなら「台湾式朝御飯 喜喜豆漿」へ

今回の取材にご協力いただいたのは「台湾式朝御飯 喜喜豆漿」です。

記事で紹介した料理以外にも、台湾で定番の朝ごはん「鹹豆漿」(シェンドゥジャン)をはじめとした幅広い台湾料理が楽しめます。鹹豆漿は温めた豆乳の中に具材が入っているスープで、上に小さな揚げパンが乗っているのが特徴です。

朝から昼は「台湾式朝御飯 喜喜豆漿」として、そして夜は名前を変えて「美美小吃 (メイメイシャオチー)」になるのだとか。

もともと喜喜豆漿は雑色駅にありましたが、美美小吃と同じ建物に移転してきたことがきっかけで2つの名前で営業しているそうです。

カラフルな装飾の店内にある台湾華語の看板はオーナー自らの手作りです。

レジの横ではスタッフが現地で買い付けた台湾雑貨の販売も行っています。

都内に居ながらまるで台湾旅行気分が味わえるお店にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

台湾式朝御飯 喜喜豆漿

住所:東京都大田区蒲田5-1-5 博千ビル 1F
電話番号:03-3737-8755
営業時間:9:00〜14:00(ラストオーダー13:30)
定休日:月曜日

公式Instagram:@kikitoujan

取材・執筆

蒲田おにぎりちゃん
https://x.com/onigirikamata
https://www.instagram.com/onigirikamata/

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