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【ごはんの、ほくほく思い出話し】一人暮らしの“いくらおにぎり”
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ずっと昔のことなのに、今でも“あの味”だけは覚えている。
学生時代のちょっぴり甘酸っぱい記憶。
「おいしい!」と叫びたくなるほど感動した、白いごはん。
緊張した心と疲れた身体に、じんわり沁みた温かさ。
思い出すと心がほくほくする、大切な人とのエピソード。
このコーナーでは、ソラミドごはんスタッフが体験した、
忘れられない「ごはんの、ほくほく思い出話し」をご紹介します。
それではどうぞ、召し上がれ。
一人暮らしの“いくらおにぎり”
大学を卒業して、22年間暮らした実家を出て一人暮らしを始めた年。
初めての冬のボーナスで贅沢をしたいなと、思って通販で鱒のいくらを買いました。
仕事が終わって家に帰って、いそいそとお米を炊く準備を。
お米は両親が帰省するたびに持たせてくれた、
福井県池田町の農家さんのお米でふんわりと甘いおいしいお米です。
いくらは流水で解答して、ごはんも炊けて、
あつあつのごはんに、少しの塩を混ぜて
握ったいくらおにぎり。
この味が今でも忘れられません。
初めて一人で生きた年。
ごはんも、公共料金の支払いも、
仕事も慣れなくてこれからやっていけるか不安だった年の、
一人で作ったいくらおにぎりが、“いちばんおいしい”おにぎりでした。
コンビニで、いくらおにぎりを見かけるたびに買ったみるんですが、
あのときのおにぎりには負けちゃいます。
今井裕子