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教えて、ごはんさん! 土鍋でおいしく、ごはんを炊く方法とは?


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ぽこぽこ。ぽこぽこ。土鍋から聞こえるお米の音。
火を止め、じっくり蒸らす時間。
炊き立ての白いごはんから立ち上る、ほんわりした湯気。

手間ひまかけて愛でるように炊く土鍋ごはんは、日々の暮らしにささやかな幸せをもたらしてくれます。

「お気に入りの土鍋で、自分好みに炊く楽しさを味わえるのも土鍋ごはんの魅力です」

そう話すのは、訪問調理師/子ども料理研究家の『ごはん さん』。「食を豊かにすることは、自分を、人を大切にすること」という想いのもと、日本中の食卓を彩ります。

「土鍋で炊くごはん、きっとおいしいんだろうな」と、思いつつも、「上手に炊けるか不安」「水の調整がむずかしそう」「時間がかかりそう」というイメージから、なかなか手を伸ばせない……。

今回は、そんな方にこそ知ってほしい。ごはんさん直伝!「ふっくらおいしい土鍋ごはんが、とっても簡単に炊けるコツ」をお伝えします。

ごはん さん

訪問調理師/子ども料理研究家。
累計1,500件以上のお宅を訪問し、各家庭の味に寄り添った簡単で身体に優しい料理を提案している。著書『数カ月先まで予約でいっぱい! 訪問調理師ごはんさんのどんどんおかわりする子ども大好きレシピ78』『訪問調理師ごはんさんの野菜大好きレシピ』等。Instagram: https://www.instagram.com/gohan.no.gohan/

このレシピで使ったおすすめのお米

このレシピで使ったお米は下記です! このレシピにぴったりのおすすめのお米です。ぜひご賞味ください。

どうして土鍋で炊くと、おいしくなるの?

そもそもなぜ土鍋で炊いたお米は、ふっくらおいしく仕上がるのでしょうか?

土鍋で炊いたごはんには、表面にぽつぽつと、「カニ穴」という空気穴ができます。カニ穴が開くことで、蒸気が上がって土鍋のなかで対流が起こり、ふっくら炊けるんです。

また最適な水量や水温は、季節やお米の種類、使う炊飯道具によってさまざま。

火加減もその都度調節できるから、いつでも自分好みのおいしさを再現できます。

ごはんさん

この鍋の強火ってどのくらいなんだろう?って研究できるのも、土鍋の魅力です。最初は何度か失敗しても、気負わなくて大丈夫。徐々に上手に炊けるようになっていきますよ

それではまず、毎日の料理が楽しくなる「土鍋の選び方」からご紹介していきます!

❶「選び方」ときめく土鍋を相棒に

土鍋の形には、浅型と深型の2種類があります。浅型は、中身が見やすいので鍋やおでんなどの料理向き。深型は吹きこぼれしにくく、ごはんを炊くのに向いています。

また素材も、萬古焼(ばんこやき)や伊賀焼、信楽焼、セラミックとさまざま。IHに対応しているものまであります。

ごはんさん

種類が豊富にあり迷うかもしれませんが、デザインやフォルムも含めて、かわいい!と心ときめくものをお選びください。土鍋それぞれにも性格があるので、使いながら特性を知り、好みに合わせて炊き方を変化させれば、どんどんおいしく炊けるようになっていきますよ。最初は失敗もご愛嬌!一番大切なのは、研究を楽しむ気持ちです

土鍋で炊き方を覚えておけば、フライパンや鍋で炊くときも応用できます。

災害を想定してお家にあるもので炊いてみてもいいかもしれません。

ごはんさん

ちなみに、これは私がふだんから愛用している土鍋です。まるいフォルムがかわいらしくて、抱きしめたくなるような愛らしさがお気に入りです

❷「お米の研ぎ方」やさしく撫でるように、シャカシャカと

次に、お米を洗っていきます。

洗う回数は、「合数+1回」。たとえば、3合炊く場合は4回洗います。

お米はとても乾燥しているので、水をすぐに吸ってしまいます。おいしいごはんにするためには、浄水で洗うのがベスト。また、1回目の水はすぐに捨ててください。ぬかの匂いを吸ってしまうため、サッと洗って素早く捨てるのがポイントです。

このとき浮いてくるお米は籾殻だけのものなので、流れてしまっても問題ありません。

1回目の水を捨て、お米だけの状態で混ぜていきます。

ポイントは、「手でやさしく、撫でるような感覚でシャカシャカ」と。

水がない状態で混ぜるとお米同士が綺麗に擦れて、お米のぬかが取れるんです。

研ぎ終わりの水は、お米が透けて見えるくらいの透明度がベスト。

ぬかには風味やうま味も含まれているので、程よく残すのもおいしさの秘訣です。

❸「浸水」季節に合わせて時間を調整する

お米を浸水させていきます。
おいしく炊くためには、「冷たい水をゆっくり吸わせる」ことが大切です。

沸騰するまでの時間が長いと、甘みが増しておいしくなるためです。
ただ夏場は水がぬるいため、どうしても沸騰までの時間が短くなってしまいます。

ごはんさん

そんなときは、浸水中にボールごと冷蔵庫で冷やしたり、炊飯するときに水を減らして氷を入れたりするのがおすすめ!粒立ちが良くなって、シャキッと炊けるんです

浸水時間は、「冬は30分、夏は15〜20分」が、だいたいの目安。

季節の水温に合わせて調整するのもおいしく炊くポイントです。

浸水後(左)と、浸水する前(右)のお米を見比べてみましょう。左のお米はしっかり水を吸い込み、膨らんでいます。八分ぐらいの白さになったら、炊きどきです。

ごはんさん

お米はとっても繊細で、すぐにぱちぱち割れてしまいます。浸水が始まったらあまり触らないこと。どこかに移動するときは、そっとやさしく動かすことが大切です

❹「水を入れて、強火で加熱」水の量は手首でも計れる

それでは、いよいよ火にかけていきましょう。

まずは水を切り、手でやさしくお米を土鍋に移していきます。

水の量は1合に対して200ml。ここから強火で加熱していきます。お持ちの土鍋や季節によって適量が少しずつ異なるので、土鍋の説明書を確認のうえ、調節してみてください。

ごはんさん

ちなみに、新米は水分を多く含んでいるので、水の量を減らして炊くのもおすすめです

「③浸水」でも先述した通り、沸騰するまでの時間が長いとおいしく炊けるので、水は冷水がベストです。水の種類はお好みで。浄水やミネラルウォーターであれば癖なく炊けます。

また計量カップがないときは、手で測ることもできます。

手を広げて手首のあたりまで水が入る位置が、おいしく炊ける目安です。

ごはんさん

私はいつもここで、塩をひとつまみ入れているんです。味をつけるというよりも、ミネラル分をプラスしておいしく炊く、“おまじない”みたいなものかな

沸騰するまで「強火」にかけていきます。

炊きあがるのにかかる時間は「20分」程度。浸水時間と合わせても「1時間」かかりません。実は、炊飯器での炊飯時間とあまり変わらないんです。

❺「沸騰したら弱火に」お米の音に耳をすませて

沸騰したら弱火にします。土鍋から聞こえる「ぶくぶく」という音が、「ぽっ…ぽっ…」と小さくなったら火を止める合図です。沸騰後も加熱し続けると焦げてしまうので、お気をつけくださいね。

火を止めたら、蓋を開けずに置いておくこと。蒸らす工程がごはんをふっくらとさせてくれます。

ごはんさん

大切なのは、お米の音に耳をすませること。沸騰したら弱火にして、火を止めたら置いておく。これだけ守れば、時間を正確に計らなくてもベチャベチャになることはありません。必ずしも正しくやんなきゃって思わなくても大丈夫!自分の好みに合わせておいしさを育てていく感覚を、体感してみてください

土鍋で炊いたごはんを、みんなで食べてみた!

粒がしっかりと立っていて、ふっくら炊けた土鍋ごはん。ひと口入れた瞬間、豊かな香りが鼻を通っていきました。そして噛めば噛むほど感じる、お米本来のほんのりとした甘さ。

最初から最後までやさしくじっくり炊いたから、お米一粒一粒を堪能できました。

ごはんさん

お米の音を聞きながら、やさしく扱い、育てるように炊いたごはんは、愛情や想いがこもっているぶん、よりおいしく感じられるはず。土鍋ごはんを通じて、今日もごはんがおいしいな、と感じる日々を楽しんでくださいね

温度や湿度、冷凍方法など、最適な環境で大切に保存したお米は、香りや甘さをしっかりと感じられ、そのおいしさに驚きました。べちゃべちゃ感もぱさぱさ感もなく、開封時と同じくらいのみずみずしさ。粒立ちもよく、ふっくらとしていて食べ応えもばっちりです。

ごはんのおいしさが、暮らしをもっと豊かにしてくれる。

手軽に始められるお米の保存のひと工夫を、ぜひ実践してみてくださいね。

土鍋ごはんの手順

①お米を研ぐ

お米を「合数+1」の回数分洗います。最初の水はすぐに捨て、お米だけの状態でやさしく混ぜましょう。研ぎ終わりの水は、お米が透けて見えるくらいの透明度がベストです。

②浸水

お米に冷たい水をゆっくり吸わせていきます。浸水時間の目安は、冬が30分、夏が15〜20分です。お米がしっかりと水を吸ってふくらみ、八分くらいの白さになったら、水を切って土鍋にやさしく移します。

③水の量と火加減

1合に対して200mlの水を入れ、沸騰するまで強火にかけていきます。

④火を止めるタイミング

沸騰したら弱火にし、土鍋から聞こえるお米の音が小さくなったら火を止めましょう。

⑤完成

火を止めたら、蓋を開けずに蒸らして、ふっくらおいしい土鍋ごはんの完成です。

今回使用した、ソラミドごはん取り扱いのお米はこちら! ぜひ、お試しあれ!

きれいな山水と長く熟成させた有機肥料(EMぼかし)で、じっくりと育てた有機米「田んぼの天使」は、素朴な風味と甘味、もちもち感が特徴です。お米の香ばしいかおりがふんわりと広がり、口に入れればもっちりとした食感とさわやかな甘みを楽しむことができます。

執筆:くにみつあんな
編集:貝津美里
写真:飯塚麻美